飼い主にとって、ペットは家族の一員であり、かけがえのない存在。一方で、帰宅時や来客時など、普段丁寧にお掃除していても気になってしまうのがペットの臭いの問題ではないでしょうか。とは言え、市販の除菌・消臭のグッズは果たしてペットに無害なのかどうか、知識がないと使うのをためらってしまうことも。ここではペットのいる快適な暮らしを実現する、人にもペットにもやさしい除菌・消臭のポイントについてご紹介します。

 

どうしてペットを飼うと臭いや菌が発生するのか?

犬や猫などのペットを室内で飼っていると、どうしても気になってしまうのがペット臭。外から帰ってきて玄関を開けたら、家の中から独特の臭いが…という経験をお持ちの飼い主さんも多いと思います。

では、ペットの臭いの原因とは一体何なのでしょうか。

 

体臭

言うまでもありませんが、動物にも人間と同じように「体臭」があります。気温が高い環境にいると汗をかき、体臭の原因となっている「アポクリン腺」という汗腺からも汗を発します。人間のアポクリン腺はわきの下や外耳道などの数か所に限られているのに対し、特に犬の場合、体に占めるこの割合が多く、さらに体全体にあることから、体臭が強くなる傾向にあります。

 

口臭

ペットに近づくと気になるのが口から発する臭い、いわゆる「口臭」です。

人間と同様、ペットも歯みがきを始めとする“お口のケア”を怠ってしまうと、どうしても歯垢がたまります。それがペットの歯のすき間に蓄積されると、臭いを発するのです。口内の問題以外に、普段食べているペットフードのメニューに影響を受けることも。またペットの胃腸に疾患があると、口臭の原因につながる場合もあります。

よだれが多いペットを室内で飼っている場合、リビングのソファやクッション、カーペットなどの繊維に付着した唾液に注意が必要です。こうした唾液から菌が繁殖し、不快な臭いが部屋中に充満してしまうというケースも。

 

肛門腺から発する臭い

犬や猫にはペットの臭いの原因となる分泌液を出す肛門腺があります。排便が順調なら分泌物もきれいに排出されますが、それがうまくいっていないと分泌液が蓄積され、不快な臭いを放ちます。ペットの体調が芳しくなかったり、肛門腺の炎症になったりすると臭いがより強くなる傾向に。分泌液が室内のクッションやカーペットなどに付着すると、菌が繁殖し、より強烈な臭いを発する場合もあります。

 

排尿と排泄物の臭い

ペットが専用トイレで上手に排泄をしたとしても、周囲やペットの体毛には少なからず排泄物が付着してしまうもの。清潔にしているつもりでも完全に汚れを落とし切れていないと菌が増殖し、そこから臭いが発生してしまいます。

ペットの臭いや菌を最小限に抑えるためにも、普段からペットの健康に留意しつつペット自身の体の特性を理解し、清潔を保つことが大切なのです。

 

飼い主が気をつけたい、ペットにNGな物質とは?

ペットの臭いをどうにかしたいと思いつつ、ペットの体への影響には最大限の気を配りたいのが飼い主の心情。そのためにはペットにとって有害な物質を理解し、それらを含む除菌・消臭剤の使用を避けることが必要です。

一般家庭で使われている除菌・消臭剤などの日用品に含まれることの多い成分から、特にペットのいるご家庭での使用に気を付けたいものを以下に挙げてみます。

  • エタノール…除菌・消臭剤などに含まれ、誤飲により嘔吐、意識障害などの中毒症状を引き起こす可能性があります。嗅覚が人間の最大約1億倍ある犬などにとって、その強烈な香り自体が強いストレスになることも。
  • 第4アンモニウム塩…消臭剤や芳香剤、床用洗浄液などに含まれ、口にすると少しの量で中毒症状を引き起こします。
  • シリカゲル…食品や衣類・バッグ類などに同梱される乾燥剤の成分。誤飲により嘔吐や胃腸障害を引き起こします。
  • ナフタリン…防虫剤の成分で、誤飲により呼吸困難や嘔吐を引き起こします。

日用品を購入する際には、このような成分が含まれるかどうか今一度チェックしてみると良いでしょう。また、万が一こうした成分を含むものが自宅にある場合、ペットが誤飲することのないような安全な場所に確実に保管します。当然、ペットが舐める可能性のある場所への過度の使用を避けることが大切です。

 

有害物質が含まれていない、ペットにやさしい除菌・消臭のグッズ

愛するペットとともに快適な生活を送るために、住まいの除菌・消臭は安全に配慮しつつもしっかりと行いたいもの。以下に、人にもペットにも比較的害が少ないと言われている、安心安全な除菌・消臭グッズについてご紹介します。

 

次亜塩素酸

最近浸透してきている次亜塩素酸を用いた除菌・消臭スプレー。安全性が証明されているため、人やペットに対しても安全と言われています。臭いの元になる菌に対する殺菌効果が極めて高く、インフルエンザやノロウィルスにも効果があるとされています。

 

天然由来成分が入っているグッズ

化学物質はペットにはもちろん、人の健康にとっても、なるべく多用は避けたいもの。前述の通り多くの動物は、化学薬品を使った強い香りを嗅ぎ続けることすらストレスになると言われています。ペットのいる空間で使う除菌・消臭グッズには、「100%天然由来成分」のものを選ぶのがベスト。こうした商品は、古くから消臭や防虫、殺菌などに使われてきた植物などを活用しているため、人やペットにはもちろん、環境にも優しいのです。

 

クエン酸と重曹

ペットの尿はアルカリ性の臭いを発するので、酸性のクエン酸が効果的。対して酸性の臭いを発する糞にはアルカリ性の重曹が有効です。クエン酸や重曹はドラッグストアや一部のスーパー、オンラインショップなどで手軽に手に入り、汎用性がも高く、使い勝手も◎。人やペットに害がなく、安心して使えます。

 

炭が含まれているグッズ

炭は消臭効果もあり、有害物質を吸着し、空気を浄化する働きがあります。ペットの排尿や排泄の臭いを抑えるのにおすすめです。

 

有害な化学物質を含む製品で除菌・消臭をし続けると、ペットにはもちろん、人体にも良い影響がないことは言うまでもありません。人にもペットにも優しい除菌・消臭グッズを上手に取り入れながら、愛するペットと快適な毎日を送りたいものですね。

ペットのニオイ対策にオススメの消臭剤

ファビュラス・ペット 300mLスプレーボトル(濃度150ppm)

※高い安全性と優れた消臭力を併せ持つ「次亜塩素酸水」を、スプレーボトルにパッケージすることでカンタンに使用することができる製品です。イヤな臭いの成分そのものを分解・除去する優れた消臭効果を持つ上に、ウイルス・カビ・細菌類の消毒効果もあるため大切なペットの健康維持にも効果を期待することができます。

さらにpH値6.8とほぼ中性であるため、万が一ペットが誤飲しても大丈夫なほどの高い安全性を誇る製品です。

用途は清掃後のトイレのみならず、室内の臭いに対しても空間に噴霧することで消臭・除菌をおこなうことができることに加えて、その安全性からペットが直接触れるオモチャなどの除菌・消臭にも役立ちます。

 

消臭ビーズ 猫トイレまくだけ 香り広がる消臭ビーズ さわやかなナチュラルガーデンの香り 450ml

※トイレの猫砂にもビーズをまくことでトイレの消臭をおこなう製品です。猫砂と一緒に燃えるゴミとして処理できるので手軽に使用できます。消臭スプレーとあわせて使用することでより確実な消臭効果を期待することができます。

 

ジョイペット 天然成分消臭剤オシッコのニオイ・汚れ専用 270ml

※除菌効果もあるグレープフルーツ種子抽出物を配合した製品です。オシッコ後の歩いた箇所や粗相をした箇所の清掃に役立つ製品です。

 

驚異の防臭袋 BOS (ボス) うんちが臭わない袋 ペット用 うんち 処理袋

※排泄物をこちらの袋に包むことで、しばらく放置後に鼻を近づけてもほとんど臭いを感じない程の防臭力を発揮する製品です。消臭ビーズを使用した猫砂を、こちらの防臭袋に包んで捨てて、清掃したトイレに次亜塩素酸水のスプレーを噴霧することで、より確実なペットのトイレの臭い対策が実現することでしょう。

 

<参考>

日本中毒情報センター「保健師・薬剤師・看護師向け中毒情報」「イヌの中毒事故を防ぐために

神戸フランダース犬猫皮膚科動物病院「犬猫の有害物質・猫の有害薬物

食品安全委員会「添加物評価書 次亜塩素酸水

東京都健康安全センター「市販家庭用消臭除菌剤に配合される4級アンモニウム化合物のマウス新生仔および成獣における一般毒性指標に及ぼす影響

公益社団法人におい・かおり環境協会「すまいの中の困ったにおい!その正体と解決方法