ノロウイルスの対策に有効な「次亜塩素酸」ですが、その規格基準や取り扱いについて詳しくご存じではない方も少なくないかと思います。
そもそも「次亜塩素酸」には「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸水」があり、名前が似ているものの実は全くの別物なんです。
今回は「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸水」の違いや規格基準、取り扱いなどについて詳しく解説したいと思います。
「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸水」の違い
最近、安全性の高い除菌剤として保育園や病院などで導入が進んでいる「次亜塩素酸」。実はこれ、「次亜塩素酸ナトリウム」ではなく「次亜塩素酸水」なんです。
一方、一般家庭では手に入りやすい「次亜塩素酸ナトリウム」が普及しています。
しかし、「次亜塩素酸ナトリウム」は刺激が強いので不用意に素手で触れたりすると皮膚が火傷のようにただれてしまう、危険な薬剤なんです。
また、ハイターやブリーチなど「次亜塩素酸ナトリウム」を使った塩素系漂白剤には「混ぜるな危険!」と書かれています。「次亜塩素酸ナトリウム」は酸と混ぜると分解して有害な塩素ガスを発生してしまうからというのが理由です。
一方の「次亜塩素酸水」は、非常に安全です。手に触れても大丈夫ですし、飲んでも問題ありません。
それでいて殺菌作用は「次亜塩素酸水」の方が数十倍もあるのだというから驚きですよね。
「次亜塩素酸ナトリウム」の規格基準
「次亜塩素酸ナトリウム」は「次亜塩素酸ソーダ」とも呼ばれており、基本的には水酸化ナトリウム水溶液に塩素ガスを吸収させて製造されます。
一般的に販売されているものは有効塩素が4~12%の水溶液で、JIS規格等の規定はとくにありません。
ただし、食品添加物公定書には以下のような規格があります。
外観:淡緑黄色の液体で透明なこと
鉄:0.003%以下
pH:有効塩素12%以上・・・12.5以上
4.0~6.0%・・・12.0以上
「次亜塩素酸ナトリウム」の取り扱いについて
次亜塩素酸は刺激の強い消毒液なので、取り扱う場合は以下のような点に注意しなくてはいけません。
・商品に記載されている使用方法をよく確認する。
・皮膚に対する刺激が強いので素手で触らない(ゴム手袋等を着用する)
・消毒液が皮膚や衣服に付いてしまった場合はすぐに水で洗い流す
・使用する時はしっかりと換気する
・有毒ガスが発生するので酸性の強い洗剤と混ぜない
・金属に対して腐食性があるので使用しない
・希釈した消毒液は時間が経つと効果がなくなるので、作り置きはせずに必要な量だけ作る
・日光に当てると分解してしまうので、直射日光や高温の場所を避けて保管する
安全に使用するために、以上のことに注意してください。
「次亜塩素酸ナトリウム」の使用期限
市販の次亜塩素酸ナトリウム製品(ブリーチやハイターなど)の使用期限は6ヶ月~3年と製品ごとにかなり違いがあります。
使用期限は製品容器に記載してあるので確認してみてくださいね。
なお、次亜塩素酸ナトリウム希釈液の使用期限は、直射日光に当てずに保管した場合で約1ヶ月程度です。
「次亜塩素酸水」の規格基準
「次亜塩素酸水」は、塩酸や食塩水を電気分解することにより発生する「次亜塩素酸」が主成分の水溶液です。
日本においては平成14年に食品添加物として指定されていることからも、その安全性が窺えますね。
ただし、使用基準において「次亜塩素酸水は最終食品の完成前に除去しなければならない。」としています。
「次亜塩素酸水」の取り扱いについて
「次亜塩素酸水」の濃度は「ppm」という単位で表します。
ppmが高いほど除菌・消臭効果も高くなりますが、その分劣化するのも早いです。家庭で使う場合はそこまで高濃度である必要はないので、品質が安定していて劣化しにくい200ppmの製品がオススメですよ。
また、「次亜塩素酸水」も「次亜塩素酸」ナトリウムと同様に日光に当たると劣化が早くなってしまいます。必ず直射日光の当たらない場所で保管してください。
なお、「次亜塩素酸水」は飲んでも大丈夫なほど体や環境に優しい消毒剤なので、取り扱いの際に注意する点はほとんどありません。
「次亜塩素酸水」の使用期限
上記でも説明しているように、「次亜塩素酸水」は濃度が高ければ高いほど早く劣化してしまいます。高濃度の400~600ppmの「次亜塩素酸水」の場合は、使用期限が3ヶ月程度と非常に短くなってしまうのです。
200ppmの濃度であれば使用期限が半年~1年ほどになりますが、メーカーの中には作り置きをしてほとんど効果のない製品を販売していたり、使用期限を1年以上に設定していたりするケースも。
購入の際には
1.使用期限の記載があるかどうか
2.製造日からの使用期限が1年以内であるかどうか
をきちんと確認してくださいね。
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まとめ
いかがでしたか?
「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸水」は全くの別物であり、取り扱い方法や使用期限も違ってきます。
それぞれの特徴をしっかりと把握して使い分けるようにしてくださいね。
<参考>
・株式会社エコー
・株式会社 タクミナ
・広島市ホームページ
・Oral Studio
・次亜塩素酸水 購入比較ナビ