2017年9月にオーストラリアで猛威をふるったインフルエンザ。通常の6倍の死者を出したともいうそのインフルエンザが、もうすぐ日本にも到来すると言われています。手強い今年のインフルエンザにどのように立ち向かっていくべきか、ここではその対策を整理していきます。

 

今年のインフルエンザの対策

オーストラリアで例年以上に深刻化したインフルエンザウイルスA型(H3N2)は、俗に「殺人インフルエンザ」と呼ばれ、重症化しやすい高齢者や疾患のある人、小児は特に注意が必要です。感染を防ぎ、拡大させないためにしっかり対策をしましょう。

 

予防接種

インフルエンザウイルスは鼻や口等を通して体に入り、細胞に侵入して増殖します。ウイルスが体内に侵入することを「感染」といい、発熱やのどの痛みなどの症状が現れることを「発病」といいます。インフルエンザワクチンはこの発病を抑える効果が一定以上認められています。

現在のワクチンは摂取すれば絶対にかからない、重症化しないというものではありません。しかしワクチンで出来た抗体によって、感染や重症化を防ぎやすくなるので、予防に有効とされています。

 

咳エチケット

感染の予防、拡大を防ぐ為に有効な手段の一つが、マスクを着用することです。

インフルエンザは、感染者の咳やくしゃみ等に含まれるウイルスを浴びたり吸い込んだりする飛沫感染と、物についたウイルスが手などを介し鼻や口等から入る接触感染があります。まずはマスクで気道への侵入を防ぎましょう。

インフルエンザには不織布(ふしょくふ)という、繊維を合成樹脂その他の接着剤で接合して布状にしたマスクが推奨されています。針金部分を鼻の形に合わせ、顎を包むように下までしっかり覆い、ウイルスの侵入を防ぎましょう。

マスクは予防だけでなくウイルスを拡散させない為にも有効です。インフルエンザは突然の高熱や頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が特徴で、その症状が重い傾向がありますが、中には自覚症状のない人や軽症の人もいます。そんな人がマスクをせずに多くの人と接触し、知らないうちにウイルスを拡散していたなんてこともありえるのです。こうしたことを防ぐためにも、流行期の人混みではなるべくマスクを着用するよう心がけましょう。

咳やくしゃみが出ているときは必ずマスクを着用したいものですが、万が一マスクを持ち合わせていなかった場合は、周囲の人から顔をそむけることが大切です。ハンカチや洋服の袖の辺りで口を覆い、顔を他の人に向けないようにしましょう。

外出から戻るたびにマスクを交換するのが望ましいですが、最低でも1日1回は交換するようにしましょう。感染者はマスクを捨てる際にビニール袋に入れ、口を閉めてからごみ箱に捨てると感染の拡大を防げます。

 

正しい手洗い

手洗いにもしっかりと除菌するためのコツがあります。まず手を洗う前に、爪は短く切っておきましょう。また、時計や指輪は外しておきましょう。

画像出典:厚生労働省「正しい手の洗い方

①流水でよく手を濡らした後、石けんをつけ、手のひらをよくこすります。
②手の甲を伸ばすようにこすります。
③指先・爪の間を念入りにこすります。
④指の間を洗います。
⑤親指と手のひらをねじり洗いします。
⑥手首も忘れずに洗います。

洗い終わったら、十分に水で流し、清潔なタオルやペーパータオルでよくふき取って乾かします。接触感染で手についたウイルスをしっかり洗い流すには、正しいやり方を意識し1回の手洗いに30~40秒かけると効果的です。感染者が咳やくしゃみを手で覆った場合は、なるべく早く手を洗うようにしましょう。洗い終わるまでは極力物にさわらないようにし、接触感染の拡大を防ぐ心がけもお忘れなく!

すぐに手を洗う事が難しいときにはアルコール消毒も有効なので、流行期は持ち歩くと便利です。

 

部屋の湿度

鼻やのどの粘膜には病原体を外に排出する機能があります。ところが乾燥するとこの機能が低下してしまいますので、加湿器などを使って湿度を保つようにしましょう。加湿器がない場合はヤカンでお湯を沸かしたり、濡れたタオルを部屋にかけたりして代用できます。

湿度を50~60%以上に保つとインフルエンザ感染の予防にもなりますよ。

 

免疫力を下げない心がけ

睡眠不足や栄養不足は免疫力の低下につながり、インフルエンザにかかりやすくなってしまいます。流行しやすい時期は、いつも以上にバランスの良い食事を心がけ、しっかり休養を取るようにしましょう。

 

人混みを避ける

人が多いところはウイルスも多いので、なるべく人混みを避けるようにしましょう。通勤の満員電車などやむを得ない場合は、感染リスクが高いという意識を持ちしっかり対策しましょう。

 

毎年1,000万人以上が感染すると言われているインフルエンザ。大規模な感染を防ぐには、一人ひとりがその感染リスクを意識し、シーン別に対策を実施することが大切です。その予防に意識が行きがちですが、感染を拡大させない、うつさないという意識も大切にしたいですね。

 

 

<参考>

厚生労働省「正しい手の洗い方」「インフルエンザ」「インフルエンザQ&A」「平成29年インフルエンザの総合対策について
コトバンク「不織布とは
政府インターネットテレビ「徳光・木佐の知りたいニッポン!~正しく知れば怖くない!感染症予防
CNNニュース「豪州のインフル感染、前年の2.5倍に 北半球も深刻化か
厚生労働省検疫所「世界のインフルエンザ流行の状況