次亜塩素酸には、アルコールでは除菌できないノロウイルスやロタウイルスにも効果がある高い除菌力があります。

その一方で、消臭にも効果を発揮し安全性も高いことから最近ではペットの消臭に次亜塩素酸を使う家庭も増えてきています。

今回は、次亜塩素酸がペットの消臭におすすめである理由や使い方についてまとめてみました。

次亜塩素酸とは

コトバンクの「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典」によると、次亜塩素酸とは、

「化学式 HClO 。遊離の状態では存在せず,水溶液中でだけ安定である。塩素に水が作用すると生成する。」

と解説されています。

この次亜塩素酸は、水溶液でないと安定しないという性質をもっていることから基本的には「次亜塩素酸水」として利用されています。

また、ウィキペディアによると、

「次亜塩素酸および次亜塩素酸の塩類(次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウムなど)は酸化剤、漂白剤、外用殺菌剤、消毒剤として利用される。」

という記載もあり、次亜塩素酸が殺菌剤や消毒剤をして使われているということが分かります。

次亜塩素酸水はペットの匂い対策におすすめ!

除菌剤として様々な場所で使われている次亜塩素酸水。実は消臭効果にも優れているのでペットの匂い対策にもおすすめなんです。

次亜塩素酸水の消臭メカニズム

次亜塩素酸の高い消臭力は、家庭内の気になるペットの匂いもしっかり消してくれる優れもの。

では、その消臭メカニズムはどのような仕組みになっているのでしょうか?

次亜塩素酸には強力な酸化作用があります。

この「酸化作用」とは、対象となる物質が電子を失ってしまう化学反応のことを指しています。

次亜塩素酸は電子を吸収する強い力を持っており、匂いの原因菌から電子を奪い取って菌を不活性化してしまうことができるのです。

次亜塩素酸の高い除菌・消臭効果の秘密

次亜塩素酸水には、ハイターなどの次亜塩素酸ナトリウムと比べると極めて高い殺菌効果があります。殺菌効果が高いということは強力な消臭効果があるということにもつながります。

その高い殺菌効果の秘密は、酸性である次亜塩素酸の性質にあります。

pH3までの酸性の場合、そのほとんどは塩素ガスです。塩素ガスにも除菌効果はありますが、有毒なので危険です。

pH4~7の弱酸性〜中性の場合には次亜塩素酸の成分が多く存在します。

さらにpHが上がって8以上の弱アルカリ性~アルカリ性になると次亜塩素酸イオンとなります。

この次亜塩素酸イオンも殺菌効果はありますが、次亜塩素酸のほうが分子のサイズが小さく細菌などの細胞壁やその内側の形質膜を簡単に通り抜けて細胞内の組織に直接攻撃できるためより高い殺菌効果を持っています。

一方、次亜塩素酸イオンは次亜塩素酸よりも分子が大きいので細胞内部に入り込むことはできません。そのため、細胞壁の電子を奪うことしかできないので次亜塩素酸よりも殺菌効果が劣ってしまうというわけなのです。

高い安全性で人にもペットにも安心

「殺菌効果が高い」と聞くと、人やペットに何か害があるのでは?と心配になってしまう方も中にはいるかと思います。

しかし、次亜塩素酸水は食品添加物としての使用も認められているほど安全性の高い成分なのです。

次亜塩素酸水は菌やウイルスと接触し、除菌・消臭効果を発揮するとただの水に戻ってしまいます。

そのため、濃度を薄くすれば赤ちゃん用品の除菌やペットの消臭にも問題なく使うことができるほど、安全性が高いと言えるのです。

そもそも次亜塩素酸は人の体の中で生成される物質です。

細菌やウイルスから人の体を守る白血球の一種である好中球は、体内に侵入してきた菌やウイルスを取り込んで分解することで殺菌します。その好中球内で殺菌のために使われているのが「次亜塩素酸」なのです。

もともと体の中にある物質だということからも、人体に対して高い安全性を持つ物質であることがわかります。

ペットの消臭に使う場合の次亜塩素酸水の選び方や使い方

市販の次亜塩素酸水には様々な塩素濃度の製品があります。濃度はppmという単位で示されており、薄いものでは50ppm・濃いものだと400ppm程度の次亜塩素酸水を購入することができます。

ペットの消臭に使う場合は、動物や人の体に次亜塩素酸水が触れる可能性も考えると50ppm程度の濃度での使用が良いとされています。この濃度であれば健康に全く影響を与えることがないので、赤ちゃんや小さなお子さんがいるご家庭でも安心して使うことができます。

使い方は次亜塩素酸水をスプレー容器に入れて、ペットの臭いの元やトイレに直接スプレーするだけ。お部屋全体の臭いが気になる場合は次亜塩素酸水に対応した加湿器を使用して空間全体を消臭することも可能です。

なお、次亜塩素酸水は高い消臭力がありますが、すぐに分解してしまうため持続性はありません。臭いが気になったら、その都度スプレーすると良いでしょう。

ちなみに高濃度の次亜塩素酸水であればより高い消臭効果が得られますが、濃度が薄くてもスプレー回数を増やせば十分な効果があります。ペットに対する安全性を考えても、薄めの次亜塩素酸水でこまめに消臭したほうがより安心であると言えるでしょう。

おすすめ商品

ファビュラス・ペット 300mLスプレーボトル(濃度150ppm)

※高い安全性と優れた消臭力を併せ持つ「次亜塩素酸水」を、スプレーボトルにパッケージすることでカンタンに使用することができる製品です。イヤな臭いの成分そのものを分解・除去する優れた消臭効果を持つ上に、ウイルス・カビ・細菌類の消毒効果もあるため大切なペットの健康維持にも効果を期待することができます。

さらにpH値6.8とほぼ中性であるため、万が一ペットが誤飲しても大丈夫なほどの高い安全性を誇る製品です。

<参考>

・新時代科学株式会社

次亜塩素酸(HClO)の化学的特性と、コレスゴの除菌・消臭メカニズム

・ウィキペディア

次亜塩素酸水

・コトバンク

次亜塩素酸

・ルテシア

次亜塩素酸水で強力に除菌・消臭!ノロウイルス対策やペットのにおいに

・Exclothes

次亜塩素酸とは?消毒の効果と化学的な殺菌メカニズムについて

・備える.jp

次亜塩素酸水を使う際の目安濃度・適切なppmについて