ノロウィルスなどを殺菌できる次亜塩素酸が近年話題となっていますが、漂白・除菌・消臭に効果があるハイターやブリーチにはウィルス対策に効果があるのでしょうか？
こちらでは、『混ぜるな危険！』と表示されている次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水の特徴を説明しながらウィルス対策について考えていきます。
次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウムとは違った性質を持つ殺菌剤です。それぞれの違いをしっかりと把握してウィルス対策に活用しましょう。
次亜塩素酸ナトリウムの洗剤とは？
プールに入ったときに感じるような独特な臭いがあり、漂白作用・殺菌作用・酸化作用をもたらしてくれるのが次亜塩素酸ナトリウムを使用した洗剤です。
スーパーやドラッグストアで家庭用にブリーチや漂白剤と販売されており、塩素系表薬剤・台所用・風呂用・トイレ用などと幅広い用途に応じて製品化されています。
このようにどなたでも一度は目にしたことがあるかと思われる、次亜塩素酸ナトリウムの特徴についてまとめてみました。
白さが際立つ！次亜塩素酸ナトリウムのメリットは？
次亜塩素酸ナトリウムが入っている洗剤には、洗ってもなかなかとれない汚れやばい菌を除去する効果があります。
これに加えて界面活性剤を配合した洗剤では台所用品の食器・まな板・ふきん・おしぼりなどの漂白・除菌・除臭に役立てられており、洗濯用洗剤では衣料の漂白に、さらにトイレ用では便座やタンクの洗浄にも使われています。
このように、一般的な洗剤では除去できないカビなどにも効果を発揮してくれるのが、次亜塩素酸ナトリウムを成分とする洗剤なのです。
混ぜると危険！取り扱いに注意しましょう
このように、様々な場所の漂白や除菌に役立てられている次亜塩素酸ナトリウムですが、パッケージに『まぜるな危険』と書かれているように取り扱いは注意が必要です。
次亜塩素酸ナトリウムは、酸性の洗剤・食酢・柑橘類などの酸性の物質と混ざると化学反応を起こし体に悪い塩素ガスを発生させてしまうという性質があります。
『混ぜるな危険』と書いてある通り、酸性の物質には決して混ぜないように注意が必要です。
また、手で直接触れてしまった場合にも危険があるため、扱う時にはビニール手袋の着用など皮膚を保護するよう心がけましょう。
次亜塩素酸ナトリウムはウィルスに有効なのか？
次亜塩素酸ナトリウムで殺菌できる細菌として、チフス菌・大腸菌・ブドウ球菌・サルモネラ菌などを挙げることができます。
次亜塩素酸ナトリウムを用いて殺菌する場合には、12％の原液を600倍に希釈して5分間浸積しておくとよいでしょう。
また、ノロウィルス・インフルエンザウィルス・などのウィルスを不活化することもできます。
【次亜塩素酸ナトリウムの特徴】
- 酸性の物質に『混ぜると危険』
- 手や皮膚に触れてはいけない
- 取り扱いに注意する必要がある
- ウィルスや細菌を除去してくれる
- 漂白効果がある
次亜塩素酸ナトリウムとは違います！次亜塩素酸水の特徴をご紹介
次亜塩素酸ナトリウムと同様に、殺菌・除菌に効果をもたらしてくれる次亜塩素酸水が話題になっています。
このふたつは名前が似ている事から同じ成分と勘違いされてしまいがちですが、その特徴は次亜塩素酸ナトリウムとは違っているので、混同しないように注意しましょう。
ここでは次亜塩素酸水の特徴をご紹介していきます。
食品添加物でもある次亜塩素酸水
塩酸や塩化ナトリウム水溶液を電気分解してできたのが次亜塩素酸水です。
主な成分は次亜塩素酸の水溶液です。食品の洗浄や消毒などに使用する食品添加物でもあることから、安全性の高い物質となっています。
次亜塩素酸水は取り扱いが安心です
次亜塩素酸水は除菌や消臭がすむと『水』に戻るため次亜塩素酸ナトリウムのように危険性はありません。
『混ぜるな危険』ということなく、子どもやペットにも安心して使用できます。
ただし、長期保存に不向きなため必要量をその都度用意し。効き目が持続しないためその都度使用しましょう。
【次亜塩素酸水の特徴】
- 『混ぜるな危険』ではない
- 食品添加物なので取り扱いが安全
- ウィルスを素早く殺菌できる
- 効き目が持続しない
- 水に戻る性質がある
ウィルスに強いのは次亜塩素酸水or次亜塩素酸ナトリウム？
次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水。
どちらもウィルスに効果を発揮しますが、次亜塩素酸水の方がウィルスを短い時間で死滅させます。大腸菌・黄色ブドウ球菌・MRSA・サルモネラ・レンサ球菌・緑膿菌などの細菌の場合は、約1分以内と大変短い時間で不活性化させることができます。。
一方の次亜塩素酸ナトリウムの場合には細菌類の不活性化に必要な時間は約5分と言われているので、次亜塩素酸水の方がウィルスには素早い効果があると言えるでしょう。
ウィルス対策には安全で効果的な次亜塩素酸水がおすすめ！
以前は主に次亜塩素酸ナトリウムがウィルス対策に活用されていましたが、安全性・殺菌能力ともに優れた特徴を持つ次亜塩素酸水の方が近年ではウィルス対策として注目されていると言えるでしょう。
『混ぜるな危険』と記されているように、もう一方の次亜塩素酸ナトリウムには酸性の物質と混ぜると危険であるため使用に際して注意が必要となります。
食品添加物にも指定されているほど安全で、さらにはウィルスにより効果を発揮してくれる次亜塩素酸水の方がウィルス対策には適していると言えるでしょう。
【次亜塩素酸水がおすすめの理由】
- 取り扱いに注意をしなくてもよい
- 直接触れても問題が無い
- 使用後は水になるという安全性がある
- 次亜塩素酸ナトリウムよりもウィルスの殺菌時間が短い
まとめ：次亜塩素酸水なら殺菌や除菌も安心しておこなえます
『混ぜるな危険』と表示されている次亜塩素酸ナトリウムの特徴・次亜塩素酸水の特徴・ウィルスに対する効果などをまとめてみました。
次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水を比較したところ、ウィルス対策に向いているのは次亜塩素酸水という事がわかりました。
次亜塩素酸水は食品添加物に指定されているほどに安全であり、なおかつ次亜塩素酸ナトリウムよりもウィルスに対しての素早い効果という点を考慮すると、ウィルス対策には次亜塩素酸水の方がむいていると言うことができるでしょう
これまで殺菌剤の安全性が気になっていたという方でも、次亜塩素酸水なら安心して使えますのでウィルス対策にぜひ役立ててください。
〈参考〉
すっきりキレイ.com
高杉製薬 株式会社
SAT危険物取扱者 公式BLOG
備える.jp
