強力な除菌・消臭効果や高い安全性をもつ次亜塩素酸水。

近年では各種施設や食品工場に加えて、日常の感染症対策としてのうがいや哺乳瓶の消毒など一般家庭における衛生管理にも欠かせない殺菌料として広く知られるようになってきました。

しかし、いくら安全とはいえ製法などについての知識が乏しいと使用には不安が残るものではないでしょうか? また、さまざまな種類の次亜塩素酸水を使用した製品があるなかで、用途に応じた適切な製品を選ぶためにも次亜塩素酸水に対する知識は重要であると言えるでしょう。

そこで今回は、次亜塩素酸水の作り方や、その製法・特徴などによる分類について解説いたします。

次亜塩素酸水の基礎知識

厚生労働省の発表によると、次亜塩素酸水とは「殺菌料の一種であり、塩酸又は食塩水を電解することにより得られる、次亜塩素酸を主成分とする水溶液である」というように定義されています。

さらに続けて、「わが国では平成 14 年 6 月に食品添加物として指定されている」とあるように、食品添加物として国に認められるほどの安全性を持つ殺菌料であることがわかります。

次亜塩素酸水は、その強力な除菌効果と国が認めるほどの高い安全性によって、病院や学校などの公共施設や食品工場などの衛生管理に広く活用されていることに加えて、ご家庭内などの身近な場所の衛生管理にまで幅広く利用されています。

次亜塩素酸水の3つの特徴

この次亜塩素酸水には、安全かつ強力な殺菌料として3つの大きな特徴がある事がわかっています。

①強力な殺菌・消臭効果

次亜塩素酸水の消毒効果は、

  • 黄色ブドウ球菌
  • サルモネラ菌
  • 腸炎ビブリオ菌
  • 腸管出血性大腸菌(O-157)
  • カンピロバクター菌

など、ほとんど全ての病原菌に対して非常に強力な殺菌効果を持っていることがわかっています。

さらにその消毒効果は細菌類のみならず、

  • インフルエンザウイルス
  • 新型インフルエンザウイルスに

加えて、アルコールでは消毒することが出来ない

  • ノロウイルス
  • ロタウイルス

に対しても高い消毒効果があることがわかっています。

さらに次亜塩素酸水には、有機物と反応して分解するという特性によって非常に強力な消臭効果があることもわかっています。

②高い安全性

有機物に反応することで「ただの水」へと分解される次亜塩素酸水には、肌や目に触れても安全なうえに誤って経口摂取してしまっても人体に害がない程の高い安全性があることがわかっています。

こうした高い安全性によって、公共施設や食品工場に加えて一般家庭などにおいても広く殺菌料として取り入れられています。

③環境への無害性

上記のように有機物に反応することで「ただの水」へと分解される次亜塩素酸水は、自然環境にとっても大変安全性の高い殺菌料であると言えます。

分解すると毒性のない「ただの水」になるため、空気中に散布しても環境には一切悪影響の無いほどの高い環境への無害性があります。

次亜塩素酸の作り方

次亜塩素酸は、水素原子と塩素原子が酸素原子に結合する事によって作られ、化学式では【HCIO】と表されます。このHCIOが水溶液となることで、次亜塩素酸水となります。

この次亜塩素酸水は、製法やpH値によっていくつかに分類されています。

製法による分類

電気分解【電解水】

食塩水もしくは薄い塩酸を電気分解することによって作られた次亜塩素酸を水溶液にすることで生成する方法です。 このようにして作られた次亜塩素酸水は、「電解水」として取り扱われます。

次亜塩素酸水の電解水には、安全かつ大量に生成できるというメリットがありますが、高濃度での精製や長期保存に向かないというデメリットもあります。

次亜塩素酸ナトリウムの中和【中和水】

次亜塩素酸ナトリウムを薄い塩酸もしくは炭酸によって中和させることによってHCIOを生成することができ、これを水で希釈する事によって次亜塩素酸水を生成することが出来ます。 このようにして作られた次亜塩素酸水は、「中和水」として取り扱われます。

次亜塩素酸水の中和水には、高濃度かつ長期保存に向いた次亜塩素酸水が得られるというメリットがある反面、有毒な塩素ガスの発生が伴うという危険性のデメリットがあります。

次亜塩素酸水(電解水)のpH値による分類

次亜塩素酸水(電解水)は、そのpH値によって

  • 強酸性次亜塩素酸水(pH値2.2~2.7)
  • 弱酸性次亜塩素酸水(pH値2.7~5.0)
  • 微酸性次亜塩素酸水(pH値5.0~6.5)

の3つに分類されます。

それぞれのpH値に応じて有効塩素濃度も異なりますので、使用にあたっては用途に応じた適切な使い分けが重要となります。

家庭でも作れる次亜塩素酸水

一般家庭における様々なシーンでの殺菌や消臭にも幅広く役立つ次亜塩素酸水は、市販されている生成器を使用する事によってご家庭でも生成する事ができます。

生成器の価格は価格は数万円~数十万円と幅がありますが、次亜塩素酸水を使用する頻度によっては自家生成した方がコストパフォーマンスが良い場合もあるでしょう。

ご家庭内での使用頻度や用途を考慮したうえで、市販の次亜塩素酸水を購入するか生成器によって自家生成をするかを判断すると良いでしょう。

適切な塩素濃度の次亜塩素酸水を正しく使用しましょう

家庭内のあらゆるシーンの除菌・消臭に役立つ次亜塩素酸水ですが、より安全に使用するためには適切なpH値・有効塩素濃度のものを使うことが重要です。

特に、うがいや哺乳瓶の消毒など直接口に触れる箇所に使用する場合には細心の注意を心がけるべきであると言えるでしょう。

このような口に触れる箇所の消毒やペットや人体など直接皮膚に触れる箇所への使用については、有効塩素濃度が10~80ppmの微酸性次亜塩素酸水を使用するとよいでしょう。 うがいなどの経口での使用にpH値が低い強酸性次亜塩素酸水を用いた場合には、歯のエナメル質を溶かしてしまう恐れがあるので避けるようにしましょう。

また、市販の次亜塩素酸水・自家生成の次亜塩素酸水のいずれにおいても用途に応じた適切なpH値のものを使用する事も重要です。 いずれの場合も適切な濃度へと希釈するなど、用途に応じた適切なpH値のものを使用するよう心がけましょう。

 

<参照>

次亜塩素酸水の作り方

5分でわかる!次亜塩素酸水

次亜塩素酸水(厚生労働省資料:pdf)