大学受験のためのセンター試験の季節がやってきました。毎年厳しい寒さの中、時には天候による交通機関の乱れに右往左往しながらも、受験生たちが必死に試験会場へと向かう姿が大きく報道されます。この後に控える受験期には、遠方の大学を受験する学生がホテルに泊まり込み受験に臨むということも。大切なこの時期こそしっかり行いたい感染症対策。ここでは万全の体調で本番を迎えるための予防策を取りあげます。

 

感染経路

まずは感染症にならないようにするための基本的な感染経路から確認していきます。感染症は、ウイルスや細菌といった病原体が体内に侵入することで発症するもの。受験期に気を付けたい感染経路として、飛沫感染、接触感染、空気感染、経口感染等の4つがあります。病原体によって感染経路は違いますが、主に鼻や口から病原体が侵入し感染する事が多いので、ここからの侵入を防ぐことが大切です。

 

飛沫感染を防ぐ

咳、くしゃみ、会話などの際に口から出る小さな水滴の事を飛沫といい、病原体が含まれた飛沫を浴びたり、吸い込んだりすることで感染する事を飛沫感染といいます。鼻や口から侵入してくる病原体を防ぐには「マスク」を正しくつける事が有効です。針金部分を鼻の形に合わせ、顎を包むように下までしっかり覆うようにしましょう。マスクは、最低でも1日1回は交換しましょう。外出から戻るたびに交換できると更に効果的です。

 

接触感染を防ぐ

病原体に触れる事で感染することを接触感染といい、中でも手指や物を介する間接接触感染は特に受験期に注意すべき感染経路です。基本的な対策は手洗い。手指を流水と石鹸でしっかり消毒することが大切です。

画像出典:厚生労働省「正しい手の洗い方

①流水でよく手を濡らした後、石けんをつけ、手のひらをよくこすります。
②手の甲を伸ばすようにこすります。
③指先・爪の間を念入りにこすります。
④指の間を洗います。
⑤親指と手のひらをねじり洗いします。
⑥手首も忘れずに洗います。

洗い終わったら、十分に水で流し、清潔なタオルやペーパータオルでよくふき取って乾かします。接触感染で手についたウイルスをしっかり洗い流すには、正しいやり方を意識し1回の手洗いに30~40秒かけると効果的です。感染者が咳やくしゃみを手で覆った場合は、なるべく早く手を洗うようにしましょう。洗い終わるまでは極力物にさわらないようにし、接触感染の拡大を防ぐ心がけもお忘れなく!

すぐに手を洗う事が難しいときにはアルコール消毒も有効なので、流行期は持ち歩くと便利です。

 

空気感染を防ぐ

空気中に浮遊している病原体を吸い込むことで感染する事を空気感染といい、飛沫感染同様、マスクの着用が有効とされています。また、乾燥することで空気中に浮遊しやすくなる病原体もあるそう。湿度を保つことも大切ですね。

 

経口感染を防ぐ

病原体に汚染された物を摂取し、感染することを経口感染といいます。生ものなど経口感染のリスクが高い食べ物は、流行期には特に注意しましょう。

 

 

受験生独特の対策

続いて受験生だからこそ必要な対策や気を付けたいポイントを見ていきましょう。

 

栄養と睡眠

病原体はとても小さく、どんなに予防しても感染してしまう場合があります。その為、侵入した病原体に負けないよう体の免疫力を上げておくことはとても大切です。勉強を無理するがあまり睡眠不足になり免疫力が低下してしまい病気に感染してしまったら元も子もありません。免疫力を上げる為に必要なのは、十分な休養とバランスの取れた栄養。自宅外でもしっかりと栄養が取れるよう準備をしておきましょう。外食をする場合は経口感染のリスクも意識してくださいね。

 

ホテルの乾燥対策

遠方の学校を受験するためなど、受験生は体力が落ちているタイミングで初めての一人ホテル宿泊などに直面します。ホテル利用時に特に注意したいのが乾燥です。湿度が低下すると空気感染のリスクが高まるうえに、鼻やのどの粘膜の機能も低下し、感染のリスクが高まります。暖房などを常に利用しているホテルは、一般的に乾燥しやすい場所。滞在中は加湿器や湿度計、マスクを準備するとよいでしょう。就寝時にマスクを着用するだけで、かなりの乾燥を防ぐことができます。また、ホテルによっては加湿器の貸出しや、部屋の備品として提供しているところもありますので、事前に調べておく事もおすすめです。

 

宿泊先の医療機関

宿泊先付近の医療機関の場所や受付時間を調べておくと、いざというときに慌てずに済みます。また夜間の発症に備え、救急病院も探しておくとより安心ですね。

 

受験校の対応

万が一感染してしまった場合に備えて、受験日の延期や振替ができるか調べておきましょう。

 

インフルエンザやノロウイルスは、受験期に流行りやすい感染症です。人の目には見えない病原体から身を守るには、親御さんの準備だけでなく、本人の予防意識も重要。懸命に頑張ってきたお子様たちの努力が実る試験日当日、力を存分に発揮できるよう、家族一丸となって感染症対策に臨みたいものですね。

 

<参考>

国立感染症研究所「ノロウィルスの感染経路」「ノロウィルス感染症とは
厚生労働省「感染症情報」「感染症対策ガイドライン」「ノロウィルスに関するQ&A」「インフルエンザQ&A
日本環境感染学会「感染経路別予防策
日本医師会「健康ぷらざ
北海道大学「感染経路別予防策
コトバンク「接触感染