初日の出に初詣、久しぶりに会う人たちとの楽しい時間。

心が弾むイベントが多い年始は、ただでさえ時間があっという間に過ぎていきますよね。そのうえ食事の準備まで…と考えるとやっぱり大変。だからこそ「おせち料理」を少しでも用意して、食事の準備に追われないゆったりとしたお正月を過ごしたいものですよね。しかし、よくよく考えてみると、年末に作ったおせち料理は4~5日食べ続けることになります。衛生的に大丈夫なの?と少し心配になる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、様々な調理方法の裏に隠された“おせちを長期保存するための技”も含めて、おせちをおいしく保つためのコツを紹介してきます。

 

食品が腐る原因は「水分」

酸っぱくなる、カビが生える、汁が出たり粘り気が出るなど、元の状態から変化がある、異臭がする。このような状態になったら食べ物が腐っている証拠です。ではなぜ食べ物は腐ってしまうのでしょうか。それは食材に含まれる水分が原因で、雑菌(大腸菌など)や真菌(カビ)が繁殖してしまう事が原因なのです。

よく「常温で保存すると腐りやすい」とか「梅雨の時期は傷みやすい」等と言われますが、温度や湿度は水分が悪化する促進剤のようなもので、直接の原因ではないのです。食べ物を腐らせない為には、食材に含まれる「水分」を悪くさせない事がポイントです。

 

「水分」を減らす

食材の「水分」を悪くさせないためには、とにかく食品中の水分を減らすことが重要です。食材の水分には「自由水」と「結合水」という2種類があり、そのうち「自由水」の量を減らすと食材は腐りにくくなります。

例えば漬物は長持ちしますよね。これは塩が持つ“水分を外に出す”という特徴を上手く使って食材から水分(自由水)を減らし、腐りにくい仕組みを作っているそう。このように調味料が持つ性質をうまく活用すれば、より長持ちする料理を作る事が出来ます。

 

保存性を高める調味料

食材の水分を外に出す調味料として代表的なものが、先にも挙げた塩です。また、醤油やみそにも塩分が含まれているので、脱水性が高いという性質を持っています。

砂糖も保存性を高めてくれる調味料です。砂糖は水分を吸収して、さらにその水分を砂糖自体に保ってくれるという性質があるので、水分が多くしっとりした口当たりなのに腐りにくいという料理が作れます。おせちでもおなじみの「栗きんとん」や「黒豆」はまさにこの性質を生かした料理ですね。

また、お酢も保存性を高める調味料です。お酢に含まれる酢酸には、殺菌効果があるので料理を腐りにくくしてくれます。筑前煮などの煮物に少し入れたり、酢が少し入ったお湯でかまぼこを茹でたりすると保存性が高まります。

調味料が染み込めば染み込むほど食材の水分が出ていくので、おせち料理に味の濃いものが多いのも納得です。

 

調味料以外の素材で保存性を高める

レモン汁や生姜は、菌の繁殖を少し遅らせる事が出来ます。例えば栗きんとん。作るときにレモン汁を入れると保存性が高まり、色も鮮やかになって一石二鳥です。また、煮物には生姜を入れると味もさっぱりするのでお勧めですよ。

 

保存時の注意点

せっかく作ったおせちを腐らせない為には、保存場所も大切なポイント。

料理は10℃以下で保存すると腐りにくくなるので、冷蔵庫で保存することが望ましいです。昔は家の中に冷暗所や10℃以下になる場所があり、常温で保存も出来たのですが、最近の家は密閉性が高く常に10℃以下を保てる場所が少ないので、冷蔵庫で保存することをお勧めします。冷蔵庫での保存が難しい場合は、発泡スチロールに保冷剤を入れてその中で保存すると良いですよ。

また、100℃以上の熱を通すとほとんどの菌は死にますので、保存中の料理は火を入れなおす事もお勧めです。

 

 

今回は「おせち料理の菌を減らし、料理の保存性を高めるポイント」をご紹介しました。濃い味付けで作った料理は保存性が高まりますが、だからといって腐らないわけではありません。召し上がる際には匂いや状態、味のチェックをして、もし気になる変化があれば思い切って捨てる勇気も必要です。また、味の濃い料理は血圧や内臓に負担をかける場合がありますので、「三日とろろ」や「七草がゆ」を取り入れる事もお勧めですよ。

以上にご紹介したポイントとご自分の感覚を上手に使って、お正月を「おせち料理」でゆっくりと楽しんでくださいね!

 

<参考>

あいち産業科学技術総合センターによるニュースレター

厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント